読書感想文にどんな本を選べばいいか迷っていませんか?
時間が限られている中で「感想が書きやすく、印象に残る一冊」を選ぶのは意外と難しいものです。
この記事では、ジャンル別に「読書感想文におすすめの本」を紹介します。
あらすじだけでなく、読後の気づきや書きやすさのポイントも解説。
学生から社会人まで、信頼できる名作をもとに選定しているので安心して参考にしてください。
小学生におすすめの本 読書感想文で書きやすい名作
ごんぎつね
・新美南吉
・短くて読みやすい
・やさしさと後悔を描く名作
・低学年にもおすすめ
人間と狐の心のすれ違いを描いた感動作です。
短いながらも、登場人物の気持ちを想像する余地が多く、感想文に向いています。
悲しくも温かい読後感が心に残ります。
村人に誤解されながらも人のために尽くす狐・ごんの行動が、最後に切ない結末を迎える物語。
スイミー
・レオ・レオニ
・絵本ながら深いテーマ性
・協力と勇気を学べる
・色彩豊かな挿絵も魅力
小さな魚・スイミーが仲間と力を合わせて困難に立ち向かう物語です。
チームワークや個性の大切さを伝える内容で、低〜中学年の感想文にぴったり。
絵の印象も残りやすく、表現の工夫もしやすい一冊です。
小さな魚スイミーが仲間と協力し、大きな魚に立ち向かう勇気と知恵の物語。
大きな木
・シェル・シルヴァスタイン
・シンプルな言葉で深い愛を描く
・親子・友情のテーマに最適
・短くても考えさせられる内容
少年と一本の木の関係を通して、与える愛と人生の循環を描いた名作。
感謝や思いやりをテーマにした感想文に向いています。
読むたびに違った気づきを与えてくれる作品です。
成長する少年に、木がすべてを与え続ける物語。愛とは何かを静かに問いかける。
モチモチの木
・斎藤隆介
・怖さと優しさが同居する童話
・勇気の成長物語
・語りやすく人気の定番
弱虫な少年が、夜に祖父を助けるため立ち上がる物語です。
成長・勇気・思いやりといったテーマがわかりやすく、低〜中学年におすすめ。
田舎の自然描写も美しく、感想が書きやすい構成です。
弱虫な豆太が、おじいさんを救うため夜の山を駆け抜ける勇気の物語。
手ぶくろを買いに
・新美南吉
・親子愛を描く定番童話
・情景描写が美しい
・やさしい文体で低学年にも最適
子ぎつねと母ぎつねの温かな交流を描く短編。
季節感あふれる文章が豊かで、感情を言葉にしやすい内容です。
読後にはやさしい気持ちになれる一冊です。
冬の寒い日に、母ぎつねに頼まれて人間の町へ手袋を買いに行く子ぎつねの物語。
かいけつゾロリシリーズ
・原ゆたか
・ユーモアと冒険に満ちた物語
・読書が苦手でも楽しく読める
・行動や工夫から学びやすい
笑いとスリルのある展開で、子どもたちに大人気のシリーズ。
ゾロリの発想力や仲間との協力をテーマに、感想文が書きやすい構成です。
イタズラ好きのキツネ・ゾロリが、夢に向かって奮闘する冒険の数々を描く。
かわいそうなぞう
・土家由岐雄
・命と戦争を考える教材的名作
・短くて感情が動く内容
・夏休みの課題図書として定番
戦時中の動物園での出来事を通して、「命の尊さ」を深く考えさせる物語。
短編ながら涙なしでは読めません。
戦争中、上野動物園のゾウが運命に翻弄される。命と人間の責任を問う物語。
エルマーのぼうけん
・ルース・S・ガネット
・冒険と友情の王道物語
・テンポがよく読書初心者にも最適
・感想が書きやすい構成
少年エルマーがどうぶつ島へ冒険に出る物語です。
仲間を助ける勇気と知恵を学べる作品として長く愛されています。
少年エルマーが、助けを求めるりゅうの子を救うために大冒険に出る。
はれときどきぶた
・矢玉四郎
・発想がユニークで楽しい
・空想と現実の融合
・感想が自由に書きやすい
主人公・則安の日記が本当になるという奇想天外な展開の物語。
自由な発想で感想を書けるのが特徴です。
書いたことが現実になる「日記帳」を手にした少年の、奇妙で楽しい毎日。
オズの魔法使い
・L・フランク・ボーム
・夢・友情・勇気を描いた冒険物語
・登場人物が魅力的
・感情表現を学べる内容
ドロシーと仲間たちの旅を通して、仲間を信じる力の大切さを描きます。
誰にでも分かりやすく、読書感想文にぴったりです。
竜巻で異世界に飛ばされた少女ドロシーが、仲間と共に故郷を目指す冒険を描く。
中学生におすすめの本 読書感想文が書きやすい作品
君たちはどう生きるか
・吉野源三郎
・人生・哲学の入門書
・対話形式で理解しやすい
・中学生の道徳教材にも最適
少年の成長とともに、人間の生き方を深く考えさせる作品です。
「正しさ」や「人との関わり」を自分ごととして書きやすい一冊です。
コペル君が日常の出来事を通じて、人間としてのあり方を学んでいく。
坊っちゃん
・夏目漱石
・正義感とユーモアの融合
・文体が親しみやすく読書初心者にも◎
・学校生活にも通じる内容
正直で不器用な青年の痛快な奮闘劇。
登場人物の個性が強く、感想文で「好き・嫌い」など感情を交えて書きやすいです。
江戸っ子教師・坊っちゃんが四国の学校で巻き起こす騒動を描いた青春物語。
走れメロス
・太宰治
・友情・信頼をテーマにした短編
・文章が美しく感情が伝わる
・短いので書きやすい
友情と信頼をテーマにした王道作品。
短い文章ながら強いメッセージを持ち、感想文でも「信じるとは何か」を書きやすいです。
親友のために死を覚悟で走る青年メロスの、友情と信頼の物語。
夜のピクニック
・恩田陸
・現代の青春を描く
・心理描写が緻密で共感できる
・心の成長が感想に書きやすい
学校行事を通じた成長と和解の物語。
登場人物の心の変化を捉える感想文に最適です。
高校の「歩行祭」で、秘密を抱える二人が心を通わせる青春ストーリー。
カラフル
・森絵都
・生と死、再生をテーマにした青春小説
・現代的で読みやすい文体
・考えを深めやすい構成
死んだ少年が別の人間として再び生きる不思議な物語。
「生きる意味」を問う内容で、深い感想が書けます。
死んだ少年が“モニター”として別人の人生をやり直す、不思議で優しい再生の物語。
高校生におすすめの本 読書感想文に深みが出る名作
こころ
・夏目漱石
・人間の心の奥を描く文学の傑作
・罪と愛のテーマが深い
・感想文で「人間理解」を深めやすい
「先生」と「私」の関係を通じて、孤独や罪悪感を描いた名作。
人間関係の複雑さを理解し始める高校生にぴったりの一冊です。
読後の余韻が深く、考察型の感想文に最適です。
明治の青年「私」が出会った“先生”の人生を通じて、愛と裏切り、人間の業を見つめる物語。
ノルウェイの森
・村上春樹
・愛と喪失をテーマにした青春文学
・感情描写がリアル
・現代文としても人気の一冊
人の心の揺れや孤独を繊細に描いた青春小説です。
人間の「生きづらさ」や「心の成長」をテーマに、深い感想が書けます。
現代的な感性で文学的な表現に触れられる点も魅力。
大学生のワタナベが、亡き親友の恋人・直子との関係を通して「生きる意味」を探す物語。
コンビニ人間
・村田沙耶香
・現代社会の「普通」とは何かを問う
・会話が多く読みやすい
・独自の視点で感想文に深みが出る
現代社会で“普通”を求められる女性が、自分らしく生きようとする姿を描く。
社会に馴染めない主人公の視点を通して、「自分とは何か」を考えさせられる一冊です。
36歳・独身のコンビニ店員・恵子が、社会の枠にとらわれず生きる姿を描いた現代文学。
ビブリア古書堂の事件手帖
・三上延
・ミステリー×人間ドラマ
・本を通じて人の想いを感じられる
・構成が整理されていて感想文に書きやすい
古書をめぐる謎と、人々の心の物語が丁寧に描かれた人気シリーズ。
知識と感情の両面で読み応えがあり、分析的な感想文にも向いています。
鎌倉の古書店を営む栞子と青年・大輔が、古書に秘められた物語を解き明かしていく。
ハリーポッターと賢者の石
・J.K.ローリング
・友情・成長・勇気を描く冒険物語
・中高生に圧倒的人気
・感想が書きやすい起承転結
魔法学校を舞台に、少年の成長と友情を描く世界的名作。
冒険と心の葛藤がわかりやすく描かれ、感想文に取り入れやすいです。
魔法使いの少年ハリーが仲間と出会い、悪と対峙する冒険を通して成長していく。
ナラタージュ
・島本理生
・恋愛と成長を繊細に描く
・心理描写が豊かで文学的
・恋愛感情を言葉にしやすい
教師と生徒の禁断の恋をテーマにした切ない物語。
感情の機微を丁寧に追う構成で、「感情の分析」を書く感想文に向いています。
高校時代の教師と再会した女性が、かつての想いを通して「愛と痛み」を見つめ直す物語。
世界の中心で、愛をさけぶ
・片山恭一
・純愛小説の代表作
・命と記憶のテーマが書きやすい
・映像化で認知度も高い
淡い恋と死別を描いた感動作。
青春の一瞬を丁寧に切り取っており、感情を素直に表現しやすい一冊です。
恋人・亜紀を失った少年が、思い出を辿りながら生きる意味を探すラブストーリー。
蜘蛛の糸
・芥川龍之介
・道徳・人間性を問う短編
・短くて理解しやすい
・象徴的で深いテーマを持つ
短編ながら、人間の欲望と救済を描いた名作です。
高校生の読書感想文なら「人間の本質」を掘り下げやすく、印象的な仕上がりになります。
地獄に落ちた男カンダタが、蜘蛛の糸にすがりながらも己の欲に負ける姿を描く寓話。
伊豆の踊子
・川端康成
・淡い恋心を描く文豪の代表作
・美しい情景描写が特徴
・文章表現の勉強にもなる
旅の途中で出会う少女との一瞬の交流を描いた美しい物語。
余白の多い文体で、自分なりの解釈を添えやすい感想文が書けます。
旅の途中で出会った踊り子との短い交流を通して、青年が心の成長を遂げる。
蜜蜂と遠雷
・恩田陸
・音楽と才能をテーマにした長編小説
・文章が詩的で芸術的
・自分の努力と重ねて書ける
ピアノコンクールを舞台に、4人の若者が音楽と真剣に向き合う物語。
努力・才能・成長をテーマに、自己表現に繋がる感想文が書きやすいです。
ピアノコンクールに挑む4人の若者が、音楽と自分自身に向き合い成長していく物語。
まとめ
読書感想文におすすめの本は、学年によって選び方が変わります。
小学生には「共感できる登場人物」や「道徳的な物語」。
中学生には「成長」「友情」「命の意味」を描いた作品。
高校生には「人生」「社会」「愛」をテーマにした深い文学作品が向いています。
読書感想文で大切なのは「感じたことを自分の言葉で書く」ことです。
今回紹介した名作の中から、自分の心に響く一冊を選びましょう。